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高雄ガス爆発 闇夜に輝く善意の光

2014年08月04日

【新唐人2014年8月4日】現在、中台の交流が盛んです。先月、高雄市の陳菊市長は、中国国務院台湾弁公室の張志軍主任と会見しました。しかし、高雄市は先月末、大規模なガス爆発に見舞われたため、陳菊市長は目下、事故の措置を優先するもしれません。

 

7月31日、高雄市で台湾史上、最悪のガス爆発が発生しました。市街地の地下を走る工業用パイプラインから、化学物質が漏れて、引火したことが原因のようです。この爆発で28人が死亡、300人近くが負傷しました。

 

しかし本日、番組でお伝えするのは、痛ましい事故で見せた台湾人の善意のパワーです。救援物資から、事故情報をまとめたサイトまで、ボランティアが大活躍しています。彼らの優しさと思いやりは、見る者に、力強く豊かなエネルギーを感じさせます。

 

王さん

「妻のバイクを捜しています。バイクは…」

 

ここは早朝5時の事故現場です。妻と息子が見当たらないという王さんは、一晩中、家族の行方を捜していました。

 

王さん

「夜12時から捜しています。各大病院も回りました」

 

いちるの望みを胸に最愛の家族を捜す王さんですが、果たして再会がかなったのでしょうか?

 

7月31日、高雄市では、台湾史上最悪となるガス爆発が起きました。夜8時45分、市街地でガス漏れが発見されたため、警察と消防が現場に駆けつけました。10時過ぎには、爆発により側溝のふたが飛び、家屋も損傷したとの情報が伝わったため、住民が逃げ出します。しかし、これは始まりに過ぎませんでした。

 

11時過ぎ、轟音が響くと、一面が真っ暗になりました。その後続けて大爆発が起き、街は壊滅的な被害を受けました。複数の通りが陥没し、地下からは炎が立ち上っています。火柱はビルの15階の高さにまで達しました。このガス爆発によって、すでに28人が死亡、286人が負傷しています。

 

現場には、焼け焦げた車、横転した消防車、散乱する石ころが見られ、道路は3キロあまりにわたって陥没しています。翌日になっても火は消えていません。徹夜で救出活動をした消防隊員も、目の前の惨状に呆然としていました。

 

消防隊員

「爆心は知りませんが、爆発範囲は7キロにわたります。爆発の瞬間 すごい衝撃で、はしご車が3階の高さにまで飛び、右側に倒れました。中の人はどうなるか わかるでしょう」

 

あまり知られていませんが、高雄市の市街地の地下には工業用パイプラインが走っています。パイプラインに亀裂が入り、そこからガスが漏れ、爆発が起きたようです。

 

馬英九総統

「消防 、警察、 レスキュー、 医療、 環境当局 、軍など総動員で復旧作業に臨みます」

 

深夜の事故にもかかわらず、大勢の死傷者が出ました。現場付近の住民の中には、住まいを失ったり、恐怖で帰宅できない人もいます。彼らを最も励ましたのが台湾全土から寄せられた善意のパワーです。

 

複数の若手ミュージシャンは、台湾人の傷ついた心を癒やし元気を送りたいと、共同で「のろし」という歌を作りました。

 

「小さな手、 大きな恐怖。平和な街にのろしが上がる。パイプラインが帰宅を阻む。街には僕の知らない悪魔がいた」

 

また、若いネットユーザーたちは、互いに連絡を取り合い、事故直後に情報サイトを立ち上げました。各大手メディアよりも素早い行動です。爆発の起きた地点や危険なエリアが詳細に示してあるほか、避難所・無料で泊まれるホテル・医療サービスなど、最新情報が掲載されています。救援ボランティアの募集も行っていました。今年3月のひまわり学生運動の時もネットが活用されましたが、草の根のパワーはよりいっそう、たくましく成長しているようです。

 

救援物資ステーションには、必要とする人々にすぐ届けられるよう、ミネラルウオーターが大量に運ばれていました。そして台湾全土から集まったボランティアは、秩序立って、各種の救援活動を行っています。

 

ボランティア

「ボランティア希望者は増え続けています。台湾全土から申し込みがあります」

 

救援センター職員

「すでにある物資はつるはし 、スコップ 、清掃用品、 雨靴、 綿布 、手袋などです」

 

ある住民は、真夏に体を洗えないのはつらいだろうと考え、シャワー設備のある車を出動させました。さらに、多くのホテルも無料で部屋を提供しています。わずか2日間で、義捐金は2000万ドルに達しました。

 

事故の直後、警察や消防が現場に到着する前から、何の装備もない住民が大勢駆けつけ、素手で救出活動を行っていました。

 

一瞬にして街が壊滅状態に陥った7月31日は、高雄市民はもちろん、すべての台湾人にとって、痛ましい日となりました。しかし、この未曾有の事故を前にして、企業から、芸能人、庶民まで、一人ひとりが可能な限り、援助の手を差し伸べたことは、称賛に値します。台湾人が見せた善意とたくましさは、闇夜に輝く希望の光とも言えそうです。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/08/03/a1127724.html(中国語)

(翻訳/河合 ナレーター/村上 映像編集/尹)

 

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